膿瘍の治療(1/2)
病気カテゴリなので傷画像あり、注意。
昨年夏、他の個体に全身噛まれてズタズタの怪我をして、複数箇所の縫合と2週間余りの入院を含む50日程の治療を要したヒョウモントカゲモドキのルー(ハイポタンジェリン・♂)。
その後脱皮を繰り返し、傷もかなり皮膚が再生して目立たなくなった。じっくり見ると傷跡だが遠目だと分からない程度まで復活。
左下目蓋も噛まれてまだ段差っぽい筋が残っているが、元通り食欲旺盛で、手を差し出すと乗って来る飼い主に対する愛想もいいレオパ11匹の中で一番馴れている個体。

すっかり元気になって良かった、と思っていたルーの異変に目が留まったのは5月の10日頃。
ハンドリング時、総排泄口の下のヘミペニスが収納されているクロアカルサック=所謂「玉袋」が片方だけ脹らんでいるのに気が付いた。
ここが脹らむのはたまにある。排出し損ねた精子や新陳代謝で出た内部の古い組織が角質化して中に溜まり、硬くなってしまっている時がある。普通は自分で舐めて排泄しているが何かの弾みか、オスの個体のうち3匹に確認している現象。普通はいつの間にかコロンと落ちている。なかなか外れずにヘミペニス脱を誘発しそうだったので飼い主が処置したことも。
なので様子を見ることにしたのだが、ルーも自分で舐めているがなかなか解消されない様子、上記の症状の場合はクロアカルサック部を尻尾方向に引っ張って中味を露出させると、樹脂状の半透明な茶色い物が見えるのだがそれがない。
そして翌日、翌々日とみるみる腫れて来た、ヤバい、これは違う。触ると硬い感触、膿瘍が出来ているんじゃないかと推測。
…病院予約しよう。
繊細な爬虫類は大きな処置をすると大体拒食するので、その前に栄養を蓄えさせておこうと普段一日おき程度の給餌を受診まで毎日にして、食べたいだけ食べさせる。
5月13日、受診前。

腫れている部分の中心がほんのり赤い。炎症が起きている様子。

いつもお世話になっている動物病院へ、「またかい何すんの」という顔をしているルーをプラケに押し込んで連れて受診。
診察の結果やはり膿瘍ができており、総排泄口から排出を試みたもののヘミペニスと膿瘍が癒着していて取り出せないので切開することに。
切開して膿瘍が癒着したヘミペニスを露出させた状態で見せて貰い、場所が場所なだけに汚れが入り易く一度こうなると再発の可能性が高いということで、先生と相談の結果ヘミペニスも切除することに。
爬虫類の膿はカッテージチーズのような塊になることが多く、例に漏れずその様子で塊は直径6~7mmあるように見えた。
手術後。

爬虫類のヘミペニスは二股になっているので、片方切っても繁殖の可能性が完全にゼロにはならないし、いずれにしろ繁殖の予定もないので健康第一で切除を選択。痛々しい傷跡だが腫れはペタンコに。
またもや毎日の抗生剤投与と傷口の消毒。本人(ヤモリ)も飼い主も慣れたものになってしまった。抵抗なく薬を飲んで暴れず消毒される。
手術後、その晩の投薬&消毒後のルー。拒食を覚悟していたのにまるで何もなかったかのように普通にガツガツ食べてますよ。目にも力があり、昨年の大怪我の後のいかにも弱っている様子とは違うので大丈夫かと思う。

5月16日、手術3日後。赤く腫れていた傷口は固まってカサブタに。

薬飲むよー。「はーい」?

5月20日、手術後1週間。傷口が大分癒着して来た。

5月25日、手術後12日。変化なし。

食欲旺盛なので、引き続き早く治れと毎日の給餌を続ける。
5月28日、手術2週間後に再受診、あと少し様子を見た方がいいということで抜糸せず。投薬も継続。
5月31日。餌をやろうとケージを開けたらすぐ脱走。
今回は手術をしたというのにそれを感じさせない元気の良さ。

(2/2)に続く。
昨年夏、他の個体に全身噛まれてズタズタの怪我をして、複数箇所の縫合と2週間余りの入院を含む50日程の治療を要したヒョウモントカゲモドキのルー(ハイポタンジェリン・♂)。
その後脱皮を繰り返し、傷もかなり皮膚が再生して目立たなくなった。じっくり見ると傷跡だが遠目だと分からない程度まで復活。
左下目蓋も噛まれてまだ段差っぽい筋が残っているが、元通り食欲旺盛で、手を差し出すと乗って来る飼い主に対する愛想もいいレオパ11匹の中で一番馴れている個体。

すっかり元気になって良かった、と思っていたルーの異変に目が留まったのは5月の10日頃。
ハンドリング時、総排泄口の下のヘミペニスが収納されているクロアカルサック=所謂「玉袋」が片方だけ脹らんでいるのに気が付いた。
ここが脹らむのはたまにある。排出し損ねた精子や新陳代謝で出た内部の古い組織が角質化して中に溜まり、硬くなってしまっている時がある。普通は自分で舐めて排泄しているが何かの弾みか、オスの個体のうち3匹に確認している現象。普通はいつの間にかコロンと落ちている。なかなか外れずにヘミペニス脱を誘発しそうだったので飼い主が処置したことも。
なので様子を見ることにしたのだが、ルーも自分で舐めているがなかなか解消されない様子、上記の症状の場合はクロアカルサック部を尻尾方向に引っ張って中味を露出させると、樹脂状の半透明な茶色い物が見えるのだがそれがない。
そして翌日、翌々日とみるみる腫れて来た、ヤバい、これは違う。触ると硬い感触、膿瘍が出来ているんじゃないかと推測。
…病院予約しよう。
繊細な爬虫類は大きな処置をすると大体拒食するので、その前に栄養を蓄えさせておこうと普段一日おき程度の給餌を受診まで毎日にして、食べたいだけ食べさせる。
5月13日、受診前。

腫れている部分の中心がほんのり赤い。炎症が起きている様子。

いつもお世話になっている動物病院へ、「またかい何すんの」という顔をしているルーをプラケに押し込んで連れて受診。
診察の結果やはり膿瘍ができており、総排泄口から排出を試みたもののヘミペニスと膿瘍が癒着していて取り出せないので切開することに。
切開して膿瘍が癒着したヘミペニスを露出させた状態で見せて貰い、場所が場所なだけに汚れが入り易く一度こうなると再発の可能性が高いということで、先生と相談の結果ヘミペニスも切除することに。
爬虫類の膿はカッテージチーズのような塊になることが多く、例に漏れずその様子で塊は直径6~7mmあるように見えた。
手術後。

爬虫類のヘミペニスは二股になっているので、片方切っても繁殖の可能性が完全にゼロにはならないし、いずれにしろ繁殖の予定もないので健康第一で切除を選択。痛々しい傷跡だが腫れはペタンコに。
またもや毎日の抗生剤投与と傷口の消毒。本人(ヤモリ)も飼い主も慣れたものになってしまった。抵抗なく薬を飲んで暴れず消毒される。
手術後、その晩の投薬&消毒後のルー。拒食を覚悟していたのにまるで何もなかったかのように普通にガツガツ食べてますよ。目にも力があり、昨年の大怪我の後のいかにも弱っている様子とは違うので大丈夫かと思う。

5月16日、手術3日後。赤く腫れていた傷口は固まってカサブタに。

薬飲むよー。「はーい」?

5月20日、手術後1週間。傷口が大分癒着して来た。

5月25日、手術後12日。変化なし。

食欲旺盛なので、引き続き早く治れと毎日の給餌を続ける。
5月28日、手術2週間後に再受診、あと少し様子を見た方がいいということで抜糸せず。投薬も継続。
5月31日。餌をやろうとケージを開けたらすぐ脱走。
今回は手術をしたというのにそれを感じさせない元気の良さ。

(2/2)に続く。
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